映画『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』が上映中ですから、ファンタジーと奇談を。
やはりまずはトールキンの『指輪物語』全9冊、評論社の文庫本です。
魔の力を持つ指輪を、小さなホビットのフロドが魔王のお膝元である火山に捨てに行く話です。魔王軍と人間、エルフの大きな戦いと、指輪を捨てるホビットの小さな戦いが対照的に描かれていて、一気に読みました。
また、『ホビット ゆきてかえりし物語』はフロドの前に指輪を持っていたビルボが主人公です。こちらを先に読んだほうがいいかも。
ちなみに指輪物語は動物行動学者であるコンラート・ローレンツの著書『ソロモンの指環』に感想が書かれています。これは動物行動学に関するエッセイです。
次は曲亭馬琴の『南総里見八犬伝』全10冊、岩波文庫です。奇談中の奇談といっていいでしょう。勧善懲悪の物語ですが、ストーリー展開は中国の『水滸伝』に近いものがあります。
『水滸伝』は108の星の生まれ変わりが梁山泊の親分たちですが、八犬伝は房総の殿様が飼っていた犬から飛び出た球を持って生まれたのが八犬士です。目印は体にある牡丹の形の痣と、仁義礼智忠信孝悌のうちの一文字が入った球。
お互いの様々なしがらみも相成って、犬士同士が戦ったりもします。この作品の中で一番いいのは、悪女。舩虫という毒婦がでてきますが、これがいい。
どういいかは読んでみてください。
ちなみに馬琴の作品を読む前に、十八史略や史記などの中国の古典歴史書を読んで、予備知識を入れることをお勧めします。馬琴の作品が武士に人気があった理由がわかります。
文庫 新版 指輪物語 全10巻セット
絵物語 ホビット―ゆきてかえりし物語
ソロモンの指環―動物行動学入門 (ハヤカワ文庫NF)
南総里見八犬伝 全10冊 完訳 水滸伝 全10冊セット