ブルーベリーの枝を折ってはならない
自己紹介の座右の銘としても書いていました。アラスカのインディアンの言葉です。温暖な日本では、実感がわかないとは思いますが、アラスカではものすごい説得力があります。自分の背丈と同じ高さの低いトウヒの見晴しのいい森の下に、たくさん実をつけたブルーベリーの木々を目の当たりにすると、不思議と実感がわくのです。
トウヒの木が低くて細いということは、その木の下の土の層は厚くなく、すぐに永久凍土が広がっているということです。そんな大地に育ったブルーベリーの木の枝を折ってしまったら、どうなるでしょう?
折れた木は実をつけなくなるでしょう。場合によっては育たないかもしれません。これが人間と自然の付き合い方だと思います。スーパーで売っている肉は、あの値札シールのついた白いトレイに入った状態で、牧場で育つわけではありません。命のつながりの大きな輪の中で、私達が今どんな位置に立っているかを知ることが大切だと思います。
アラスカのトウヒとブルーベリーの森と、赤や黄色の苔と美しい声で鳴くワタリガラスが、そのことを考えさせてくれるのです。