朱鷺
中国からのトキが、2個目の卵を産むかも、と言われています。日本のトキは絶滅しました。それを蘇らせようという気持ちは分からないでもありません。でも、なにか引っ掛かるのです。
トキの絶滅は、つい最近1995年のことです。しかし、それよりも前に野生状態でのトキは絶滅状態だったのではないでしょうか?
1981年、野生トキの一斉捕獲がありました。賛否両論あったようですが、結局は保護センターで保護されることになりました。この時すでに野生状態でのトキは絶滅したといってもいいと思います。自然の生態系のなかに、わずかに残っていたトキの場所にぽっかりと穴があいてしまったのです。この空いた穴には同じような生態の別の生き物が入ってきて、月日をかけて埋めていきます。
このトキの人工飼育の話は、明るい話題ではあります。しかし、最終的には限りなく純血に近い日本産トキを作ることが目的のようです。自然と命と人間というものを考えさせられる話です。