鎌倉時代の歴史小説です。
日本中世史の研究家、故・網野 善彦氏の世界観をそのままに小説にしたような感じです。
農民以外に芸能する漂泊の民や、川原者と言われる人々の生活が、傀儡女の視線から画かれています。
時代は源実朝の暗殺後、宝治合戦の後数年後が舞台です。
登場人物の中でも、住む村を追われた女がキーパーソンになっています。女の名前は北条氏の守護神に繋がっていき、後半、女とともに働く老人の素性も最後には明かされます。

網野氏の世界観は、非定住民の人々を生き生きと描き出しています。
彼の世界観を踏襲した小説家は他に、故・隆慶一郎氏がいます。
教科書には載らない日本史。覗いてみるものいいかもしれません。
異界が広がってきますよ。

傀儡