活字離れと言われる御時世に、人生の教養としての書籍紹介コーナー登場!
生きていく上で、本当に必要な教養かは各自の判断におまかせします。
しょっぱなから、飛ばしますよ~

まずはこれから。岩波文庫『山月記・李陵』。
中島敦著のこの本は、短編集です。他九篇収録。お目当てはこの中にある「悟浄出世」と「悟浄嘆異」だったのです。西遊記に題材をとったこの話、沙悟浄(河童じゃないよ!)が独り言を言うような感じで進んでいきます。この沙悟浄、なかなかに哲学者で、自分について考えています。さて、結論はでたのかな?
中島敦は中国古典に題材をとったものが好きです。最初に中国古典の『十八史略』か『史記』を読んで、彼の作品を読むのです。いろいろ読み比べると、いろんな生きざまが見えていきます。

次に同じ作者を二冊。岩波文庫『遠野物語 山の人生』『こども風土記 母の手毬歌』。
もう、著者はお分かりですね。民族学者の柳田国男です。この本の何がいいって、たくさん聞き書きしていること。柳田国男の説明だけなら、ちょっと飽きてしまいますが、民話の聞き書き、遊びの風景など、細かに書かれているので、自分の経験と対比させることができます。特に遊びに関しては「こっちはこんな感じじゃないなあ」と地方による相違を見い出す楽しさがあります。

最後に。岩波文庫『風土』。
和辻哲郎著です。これは民俗学の古典といってもいいでしょう。信仰や民族倫理の違いを気候で説明しています。着眼点がすばらしいのですが、少々難しいかな。今、テレビでテロや民族紛争のニュースがよく流れますね。この本を読んでそのニュースを見ると、画面の向こうの国が少しは理解できるかもしれません。

山月記・李陵 他九篇 (岩波文庫)
遠野物語・山の人生 (岩波文庫)
こども風土記・母の手毬歌 (岩波文庫 青 138-4)
風土―人間学的考察 (岩波文庫)