花
アメリカ軍が米軍特殊部隊とクルド人とBBCの記者たちの乗った車両を誤爆した映像で、怪我をしたBBCリポーターの背後に黄色い花が咲き誇っていました。まるで、戦争なんて関係ないように、花は咲いていました。菜の花くらいの大きさですが、何の花だったのか、わかりません。
そして、反戦歌『花はどこへいった』を偶然聞きました。少女たちの摘んだ花は、やがてまわって戦場へ行った夫たちの墓の前で、そよ風に吹かれながら咲くのです。いろんな花が浮かぶと思います。白いデイジー、黄色いマーガレット、大きなヒマワリ・・・
私は青い花が浮かびます。ワスレナグサ。夜明け前の一瞬の青い空の色がワスレナグサの色。 大地は今、何を思っているだろう。
空は今、何を見つめているのだろう 私達はこれから、何を見るのだろう。
そして空は、泣くのです。大きな戦いの後には、雨が降ります。空が天が凄惨な様子を見て、泣くのです。人もまた、涙するのです。無くしたものの大きさに改めて気付いて。
それでも花は咲き、草は繁るのです。そう、春望の「国破れて山河あり 城春にして草木深し」の如くに。
人間とは、なんと小さくも増上慢な生き物なのでしょう。