やっと読みました。「ベア・アッタクス」。副題は「クマはなぜ人を襲うか」。
出た当初、書店で見かけたにも関わらず、買いそびれていたのでした。
内容は北米大陸のブラックベアとグリズリーの人身事故の検証です。野生動物への餌付けの危険性、それに伴う甚大な被害など、以前から薄々感じていたことがこの本の内容によって確信に変わりました。ペットと野生動物を混同してはいけません。
北海道の大雪山系黒岳付近の登山道で、登山客に近づくキタキツネを見ました。心ない観光客によって餌付けされているのは明らかでした。クマもキツネも人間が無害で、しつこくまとわりつけば食べ物にありつける、と学習することによって人と野生生物との遭遇事故が起きるのです。そしてそれは、双方の命に関わる問題へと発展します。その危険性を書き綴っています。上巻はクマの襲撃状況と検証です。生々しい事故の模様が書かれています。下巻は検証を元に、どうすべきかという対処方法へと発展します。読み応えのある本です。

次は「星野道夫 永遠のまなざし」。
10年もの歳月をかけ、故星野道夫氏の死の原因を友人達が調査、検証した本です。1996年、カムチャッカでクマに襲われて亡くなった星野氏。野生のクマを愛し、深い理解を持っていた彼の死の原因を友人達が明かします。そこには「ベア・アタックス」に書かれていた問題がそのままあてはまっていました。
餌付けされたクマの危険性。その執拗なまでの行動・・・
人によって餌付けをされた生き物は、元来の野生生物ではない、という認識を持つべきだと思いました。

私の住む九州ではクマはほぼ絶滅したといわれています。クマが生きる森は豊かな森です。あの大きな生物を養えるだけの豊かさがある森は,人間にとっても大切にすべき場所だと思います。畏敬と恐怖は違います。やたらに恐怖することなく、畏敬の念を持って生き物と向き合えたら、なんとすばらしいことでしょう。

ベア・アタックス―クマはなぜ人を襲うか (1)
ベア・アタックス―クマはなぜ人を襲うか (2)
星野道夫 永遠のまなざし